保険の加入や見直し、妊活前にしておいた方が良い3つの理由。

妊活を考えている人、これから不妊治療を始めようと思っている人には、基礎体温を付けてみること、治療方法や病院、費用や助成について調べてみること、パートナーとよく話し合うこと、風疹の抗体検査を受けることなど、治療を始める前にしておいた方がいいことがたくさんあります。

これらに加えて、ファイナンシャルプランナーとして、ぜひしてもらいたいことがあります。

それは、保険の加入や見直しです。

以前の記事で体外受精などの不妊治療に対して給付金の出る保険についてお伝えしましたが、それだけではありません。
今回は不妊治療を始める前に考えておきたい保険についてお伝えします。

なぜ不妊治療を始める前に保険を見直した方がいいの?

保険の加入や見直しを検討するタイミングは色々ありますが、どうして不妊治療を始める前に検討した方がいいのでしょうか?
理由は3つあります。

1.不妊治療中に、手術や入院が必要な傷病が見つかることがあるから

不妊治療を進める中で、子宮筋腫や卵巣腫瘍、チョコレート嚢胞などが発見されることがあります。

これらは不妊の一因となることも多く、手術が必要になる場合があります。

これらの手術は、通常の医療保険の手術給付金の給付対象になります。
また、あまり考えたくないことですが、流産の場合の掻爬手術も手術給付金の給付対象となります。

実際に流産を経験した人の中で、落ち込んでしまってなかなか立ち直れない中、手術給付金を受け取れたことで次の治療に前向きになれたという人もいました。

2.妊娠中や出産時は、手術や入院のリスクが高まるから

無事に妊娠した場合にも、出産までには様々なリスクがあります。
重症妊娠悪阻や切迫流産、妊娠高血圧症候群など、ひどい場合には入院が必要になる場合もあります。そんなときには医療保険の入院給付金を受け取れます。

また、実際に出産した人でも知らない人が多いですが、帝王切開や吸引分娩、鉗子分娩などの場合は異常分娩として入院・手術給付金の対象となります。

3.不妊治療中や妊娠中は医療保険の加入が制限されてしまうから

保険に加入するときには告知義務があり、現在の健康状態や傷病歴を正直に告知しなければなりません。不妊治療をしている場合にはそれも告知する必要があります。

不妊治療をしている場合、加入そのものができない場合がほとんどですし、加入できたとしても「子宮・卵巣関連の傷病は保障しない」というように、保障内容が制限されます(部位不担保といいます)。

では黙っていてもいいのかというと、もちろんそんなことはありません。
もし、告知の内容が事実と違っていたり、告知すべきことをしなかった場合は告知義務違反となり、契約が解除されることや、保険金や給付金が支払われないことがあります(それまで支払った保険料は戻ってきません)。

つまり、不妊治療、妊娠、出産の過程で医療保険の給付対象となる状態になる可能性が高くなるのに、不妊治療をしていると医療保険に入りにくくなってしまうということです。

ちなみに、「不妊治療をしている」というのはどこからでしょうか?
基本的には、病院に行って医師の診察・検査・治療・投薬を受けたのであれば告知の対象となります。

なかなか子どもを授からないのでとりあえず病院に行って相談してみたら「まずは基礎体温を付けて様子を見てみましょう」と言われた、という場合などは、保険会社によって取り扱いが異なる場合もあるので、正直に担当者に申し出ましょう。

不妊治療中でも入れる保険はある?

不妊治療中は医療保険に加入することはできないのでしょうか。
不妊治療そのものを保障することはできませんが、不妊治療中でも加入することができる医療保険はあります。主な2つを紹介します。

アイアル少額短期保険「子宝エール」

不妊治療をしていること以外に健康上の問題がなければ加入することができます。
また、保障の対象外となる疾病が明確で、それ以外の女性疾病に対しては手厚く備えることができます。
不妊治療終了後は通常の医療保険として継続することも可能です。

加入条件は3つ
①保険始期日における年齢が20~69歳までの方
②過去 1 年以内に、次の不妊治療を行っている女性(申込日現在において予定している場合を含みます。)  ・排卵誘発剤の投与 ・人工授精 ・体外受精(顕微授精を含む)
③上記不妊治療以外の健康状態に問題のない方

保障の対象外の疾病(6つ)
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)・骨盤腹膜炎・子宮内膜ポリープ・帝王切開・流産(切迫流産を含む)・切迫早産

保障される疾病の例
乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫、子宮内膜症、チョコレートのう胞、子宮外妊娠、妊娠高血圧症候群、など

エイ・ワン少額短期保険「エブリワン」

妊娠中や不妊治療中でも加入することができますが、治療内容によって特定の疾病が保障の対象外となる場合や、加入ができない場合があります。

保障に制限がついていなければ、出産時の緊急手術・帝王切開、妊娠中毒症等異常分娩・産後の体調不良による入院なども保障の対象になります。

正常分娩でも給付金をもらえる保険はある?

妊娠・出産は病気ではないため、健康保険も適用されず、医療保険も対象外となるのが一般的です。しかし、一部ですが正常分娩でも給付を受け取ることができる医療保険があります。

ABC少額短期保険「新ABCおかあさん保険Ⅱ」

保障が開始となる日に妊娠していなかった場合、その後の正常分娩は保障の対象となり、入院給付金を受け取れます。保障が開始となる日に妊娠していた場合、その妊娠中のトラブルや正常分娩は対象外となります。

ただし、帝王切開などの異常分娩は保障の対象となり、入院給付金、手術給付金を受け取れます。
不妊治療中は加入することはできません。

フローラル共済「なでしこくらぶ」

保障が開始となる日に妊娠していなかった場合、その後の正常分娩は保障の対象となり、入院給付金を受け取れます。保障が開始となる日に妊娠していた場合、その妊娠の正常分娩・異常分娩ともに保障の対象外となります。

また、保障内容は死亡保険金と入院給付金のみで、手術給付金はありません。
不妊治療中は加入することはできません。

保険の加入・見直しを検討するときに気をつけたいこと

病気やケガなど、心配なことはたくさんあると思いますが、すべてに対して保険で備えることは賢明ではありません。預貯金など他の手段とのバランスも考えるべきです。

まずは、高額療養費制度など医療費の負担を減らせる制度を確認しましょう。(高額療養費制度についての記事はこちら

その上で、医療保険は要るのか要らないのか、要るとしたらどんな保障がいくらくらい必要なのかをよく考えて商品を比較・検討しましょう。

また、医療保険は病気やケガで入院・手術をした場合の経済的な負担に備えるものです。

でも、本当に望ましいのは病気やケガをしないこと。
医療保険を充実させることは安心材料になると思いますが、健康維持・増進に取り組み、病気になるリスクを減らすことも大切です。

健康的な生活は妊娠力アップにもつながります。
ぜひ自分の健康や生活習慣にも目を向けてみてください。

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