排卵日はいつ?一番妊娠しやすい日は排卵日何日前?

妊活を始めると、必ず耳にする言葉に「排卵日」という言葉があります。

女性であれば一度は聞いたことがある人がほとんどではないでしょうか?
でも、自分の排卵日を把握していますか?と質問すると首を傾げる人も少なくありません。

この記事の監修医師

排卵とは?

排卵とは、簡単に言うと「黄体形成ホルモン(LH)の働きにより、卵巣から卵子が排出されること」を言います。

月経周期は生理が起こる月経期、卵胞が成長する卵胞期、排卵が起こる排卵期、着床が起こる黄体期に分類されることが出来ます。卵胞期にはエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増え、黄体期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えます。

月経周期の中で、生理終了後から始まる卵胞期ではエストロゲンの分泌が増え、そのエストロゲンが子宮内膜に働きかけ子宮内膜を厚くしていきます。
この子宮内膜が十分な厚さに育つことが、受精卵が子宮内膜に着床するためには重要になってきます。

また、毎月数個の卵胞が選ばれ卵巣の中で排卵に向けて育っていきます。

主席卵胞が15~20㎜の大きさに育つと、卵胞からエストロゲンがたくさん分泌され、LHの濃度が急激に高まり、LHサージが起こります
このLHサージの起こり始めの30~36時間後に卵胞から卵子が排出されます。これを「排卵」と言い、排卵が起こる日を「排卵日」と言います。

排卵は正常な月経周期であれば、月経開始時期から14日前後に起こります。

しかし、この14日前後というのはあくまでも目安です。個人差が大きく、月経開始から11日程度で排卵する人もいれば、排卵まで時間がかかる人もいます。

ただ、排卵までに時間がかかりすぎるのは妊活にとってはあまりよくありません。

そもそもの妊娠のチャンスが減るうえに、卵子の質そのものも低下する可能性もあると言われていますので、排卵までに時間がかかる場合は早めに不妊専門クリニックを受診しましょう。

排卵日前後で一番妊娠しやすい日はいつ?

こういう話をすると、「では排卵日を予想して夫婦でセックスをすればいいですね」と言われることがありますが、ちょっと待ってください。

実は妊娠の可能性が一番高いのは排卵日2日前の性交渉だというデータがあります。

一般的に、精子の女性の体内での寿命は72時間、排卵された卵子の寿命は約24時間と言われています。

その為、寿命の長い精子が先に子宮内の卵管膨大部で卵子を待っている方が妊娠の可能性は高くなります。

効果的に妊活をするためにも、排卵日2日前の妊娠しやすいタイミングを狙うのが良いでしょう。

ただ、一般に市販されている排卵検査薬では排卵日2日前を捉える事は出来ません。

市販で売られている排卵検査薬では排卵日の前日、もしくは排卵日当日の朝しか検査薬が陽性にならないのです。

(排卵日予測検査薬の選びかたや使い方のポイントは排卵検査薬についての記事でお伝えしています。)

排卵日1日だけをピンポイントで狙わない

多くの夫婦やカップルは妊娠しやすい日、1日だけを狙おうとしますが、その方法もちょっと待ってください。

妊娠率は性交渉の回数が多ければ多いほどあがると言われています。

これは極端な話ですが、「月経終了後から排卵日終了まで毎日頑張ってみてください。」と言われる人もいるぐらいです。
それぐらい、妊娠の為には性交渉の回数は大切になってきます。

とはいえ、普段はお仕事で忙しい事もあり、「月経終了後から排卵日終了付近まで毎日頑張ってみてください」なんて言われたら、多くの方から「それはちょっと・・・」という反応が返ってきそうですし、現実的ではありません。

少しずつ働き方改革が進んでいっているとはいえ、平日に何度も性交渉を持つのは難しいご夫婦もいらっしゃるでしょう。
中にはそれがプレッシャーになり、険悪な空気が流れてしまう・・・なんて話も耳にします。

そのため、女性が男性に排卵日を伝えるのに神経をすり減らしてしまう・・・なんて事も。この点に関しては男性の正しい理解も必要になってくるのですが、あまり排卵日を神経質にとらえすぎないことも大切です。

ではどうしたらいいのでしょうか?

まず、大切なのは「この日に絶対タイミングをとらなければならない」と必要以上に思わない事です。最初の方にも書きましたが、精子の寿命は72時間程度と、約3日あります。

ですから、生理終了後から2日か3日置きにタイミングをとり、排卵検査薬が反応しなくなるまで性交渉するのがベストな方法です。

確かに排卵日2日前が一番妊娠率が高いと言われていますが、その日に拘るあまりにお互いの間で険悪な空気が流れてしまっては意味がありません。

とはいえ、平日にこの方法はちょっと負担が・・・という方もいらっしゃいますので、その場合は生理終了後、出来るだけ早いタイミングで1回性交渉を持ちます。

その次は排卵2日前がわかる排卵検査薬(こちらも排卵検査薬についての記事でお話しています)が陽性になった時点でタイミングを取ります。

ただ、排卵日2日前に必ずしも性交渉が持てるとは限りません。その場合は臨機応変に前後にタイミングを取るようにしましょう。

最低でもこの2回はタイミングを取るように心がけてください。そこにプラスもう1日ぐらい性交渉が持てるとよりベストです。

ポイントは、本命の排卵日2日前までに一度性交渉を持っておくという事です。
精子は定期的に射精しないと古い精子が溜まって精子自体の質が落ちてしまうとも言われています。

最近の男性の妊活において禁欲はNGと言われているのはそういう理由があるからです。

しかし、月1回の排卵日2日前を狙った性交渉では、精子は古いまま・・・
男性がマスターベーションで定期的に射精している場合はいいですが、そうでなければかなり古い精子が射精されてしまう事になります。

ですから、生理終了後から排卵終了までの間は出来るだけ定期的に性交渉を持つことが妊娠率アップの為にも大切なポイントになります。

排卵が終了したことは排卵検査薬や基礎体温測定などで確認します。

基礎体温は少しわかりにくいかもしれませんが、高温期が安定したら排卵は終わっている目安になるかと思います。

排卵検査薬は陽性が続いていたものが陰性になれば、その周期の排卵は終わったと判断することが可能です。
※きちんと排卵したかどうかは病院で確認しないとわかりませんので、あくまでも目安です。

とはいえ、お互い義務的な行為となるとそのうちsexそのものがストレスにもなりかねませんから、お互いのちょうどよいバランスをみつける事も必要です。

排卵を期間で捉えることで、その間に土日やお休みが含まれてくる方も多いと思います。

平日の忙しい中でピリピリとしながら義務的な性交渉ばかりを繰り返すのではなく、お休みの時には、リラックスしながらその時間を楽しむことも加えることが夫婦でピリピリせずに妊活をうまく続けるコツかなと思います。

排卵日を知るにはどうしたら良い?

とはいえ、多くの女性にとって毎月の排卵日は気になるところです。
排卵日を知る方法としては

  • 基礎体温の測定
  • 頸管粘液の変化
  • 排卵検査薬
  • クリニックを受診

の4つの方法が一般的な方法です。

基礎体温の測定

これは基礎体温の記事でも詳しく書きましたが、基礎体温では正確な排卵日の予測は出来ません。
基礎体温表でわかるのはあくまでもここら辺に排卵したかな?という程度です。
基礎体温表はピンポイントを見るのではなく、全体の状態を見る為に活用するのがお勧めです。

頸管粘液の変化

頸管粘液(おりもの)の変化は昔から言われている排卵時期を知る一つの方法です。
排卵日が近づくと精子が侵入しやすくなるように、エストラジオールの影響を受けて頸管粘液の状態が変化します。排卵期でない期間の頸管粘液は粘調度が高く精子が侵入しにくい状態ですが、排卵日が近づくと粘調度が低くなり精子が侵入しやすい状態になります。

粘調度が低くなることによって手で触ると伸びが確認出来る事もあります。
普段はさらさらしている頸管粘液が伸びのあるものに変わったら排卵が近づいているという一つのサインになります。

また、排卵日が近くなると頸管粘液の量が増えると感じる人も少なくありません。
ただし残念ながら、この方法では排卵日を正確に予測することは不可能と言われています。

ドラッグストアで購入できる排卵検査薬やクリニックで予測してもらう方法については排卵検査薬の記事で詳しく書いていますので参考にしてみてください。

それ以外にも排卵日予測アプリなどでチェックもできますし、基礎体温アプリや生理管理アプリなどでも排卵日予測や妊娠しやすい時期の予測をだしてくれますが、あくまでもこれらは一つの目安であり、確実にわかる方法ではありません。

生理は来ていても、多嚢胞性卵巣症候群などの場合はきちんと排卵していない事もあるので、生理が来ているだけでは排卵の判断は難しくなります。

どのような方法にしても排卵日はあくまでも目安にしかすぎません。
妊娠しやすい日、1日だけを狙う性行為はお互いのストレスにもなりかねません。


「排卵日」という知識や情報は必要ですが、あまりそこに拘りすぎない事も、妊活をうまく進めていくうえで大切なポイントです。

参考資料
公益社団法人日本産婦人科医会 排卵の予測
一般社団法人日本生殖医学会 不妊症Q&A

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