排卵日=妊娠しやすい日じゃない?

妊活を始めると必ず耳にする言葉に「排卵日」という言葉があります。女性であれば一度は聞いたことがある人がほとんどではないでしょうか?
でも、自分の排卵日を把握していますか?と質問すると首を傾げる人も少なくありません。

排卵とは・・・・

卵巣の中で育った主席卵胞が15~20㎜の大きさに育つとLHサージと呼ばれるものが起こり、卵胞から卵子が排出されます。これを排卵と言い、排卵が起こる日を排卵日と言います。

排卵は正常生理周期であれば、月経開始時期から14日前後に起こります。
しかし、この14日前後というのはあくまでも目安です。月経開始から11日程度で排卵する人もいれば、排卵まで時間がかかる人もいます。

ただ、排卵までに時間がかかりすぎるのは妊活にとってはあまりよくありません。
そもそもの妊娠のチャンスが減るうえに、卵子の質そのものも低下する可能性もあると言われていますので、排卵までに時間がかかる場合は早めに不妊専門クリニックを受診しましょう。

 

排卵日=妊娠しやすい日 ではない

こういう話をすると、「では排卵日を狙って夫婦でタイミングを取ればいいですね」と言われることがありますが、ちょっと待ってください。
実は妊娠の可能性が一番高いのは排卵日2日前の性交渉だというデータがあります。

一般的に、精子の女性の体内での寿命は72時間、排卵された卵子の寿命は約24時間と言われています。その為、寿命の長い精子が先に卵管膨大部で卵子を待っている方が妊娠の可能性は高くなります。

ただ、一般に市販されている排卵検査薬では排卵日2日前を捉える事は出来ません。
市販で売られている排卵検査薬では排卵日の前日、もしくは排卵日当日の朝しか検査薬が陽性にならないのです。
ではどうしたらいいのか?
排卵検査薬の選びかたや使い方のポイントは排卵検査薬についての記事でお伝えしていきたいと思います。

 

1日だけをピンポイントで狙わない

多くの夫婦やカップルは妊娠しやすい日、1日だけを狙おうとしますが、その方法もちょっと待ってください。妊娠率は性交渉の回数が多ければ多いほどあがると言われています。これは極端な話ですが、「生理終了後から排卵日終了まで毎日頑張ってみてください。」と言われる人もいるぐらいです。
それぐらい、妊娠の為には性交渉の回数は大切になってきます。

とはいえ、普段はお仕事で忙しい事もあり、「生理終了後から排卵日終了付近まで毎日頑張ってみてください」なんて言われたら、多くの方から「それはちょっと・・・」という反応が返ってきそうですし、現実的ではありません。

少しずつ働き方改革が進んでいっているとはいえ、平日に何度も性交渉を持つのは難しいご夫婦もいらっしゃるでしょう。
中にはそれがプレッシャーになり、険悪な空気が流れてしまう・・・なんて話も耳にします。そのため、女性が男性に排卵日を伝えるのに神経をすり減らしてしまう・・・なんて事も。この点に関しては男性の正しい理解も必要になってくるのですが、あまり排卵日を神経質にとらえすぎないことも大切です。

ではどうしたらいいのでしょうか?
まず、大切なのは「この日に絶対タイミングをとらなければならない」と必要以上に思わない事です。最初の方にも書きましたが、精子の寿命は72時間程度と、約3日あります。

ですから、生理終了後から2日か3日置きにタイミングをとり、排卵検査薬が反応しなくなるまで性交渉するのがベストな方法です。
確かに排卵日2日前が一番妊娠率が高いと言われていますが、その日に拘るあまりにお互いの間で険悪な空気が流れてしまっては意味がありません。

とはいえ、平日にこの方法はちょっと負担が・・・という方もいらっしゃいますので、その場合は生理終了後、出来るだけ早いタイミングで1回性交渉を持ちます。その次は排卵2日前がわかる排卵検査薬(こちらも排卵検査薬についての記事でお話しします)が陽性になった時点でタイミングを取ります。ただ、排卵日2日前に必ずしも性交渉が持てるとは限りません。その場合は臨機応変に前後にタイミングを取るようにしましょう。
最低でもこの2回はタイミングを取るように心がけてください。そこにプラスもう1日ぐらい性交渉が持てるとよりベストです。

ポイントは、本命の排卵日2日前までに一度性交渉を持っておくという事です。
精子は定期的に射精しないと古い精子が溜まって精子自体の質が落ちてしまうとも言われています。
最近の男性の妊活において禁欲はNGと言われているのはそういう理由があるからです。

しかし、月1回の排卵日2日前を狙った性交渉では、精子は古いまま・・・
男性がマスターベーションで定期的に射精している場合はいいですが、そうでなければかなり古い精子が射精されてしまう事になります。
ですから、生理終了後から排卵終了までの間は出来るだけ定期的に性交渉を持つことが妊娠率アップの為にも大切なポイントになります。

排卵が終了したことは排卵検査薬や基礎体温測定などで確認します。
基礎体温は少しわかりにくいかもしれませんが、高温期が安定したら排卵は終わっている目安になるかと思います。排卵検査薬は陽性が続いていたものが陰性になれば、その周期の排卵は終わったと判断することが可能です。
*きちんと排卵したかどうかは病院で確認しないとわかりませんので、あくまでも目安です。

とはいえ、お互い義務的な行為となるとそのうちsexそのものがストレスにもなりかねませんから、お互いのちょうどよいバランスをみつける事も必要です。
排卵を期間で捉えることで、その間に土日やお休みが含まれてくる方も多いと思います。
平日の忙しい中でピリピリとしながら義務的な性交渉ばかりを繰り返すのではなく、お休みの時には、リラックスしながらその時間を楽しむことも加えることが夫婦でピリピリせずに妊活をうまく続けるコツかなと思います。

排卵日を知る方法

とはいえ、多くの女性にとって毎月の排卵日は気になるところです。
排卵日を知る方法としては

  • 基礎体温の測定
  • 頸管粘液の変化
  • 排卵検査薬
  • クリニックを受診

の4つの方法が一般的な方法です。

 

基礎体温の測定

これは基礎体温の記事でも詳しく書きましたが、基礎体温では正確な排卵日の予測は出来ません。
基礎体温でわかるのはあくまでもここら辺に排卵したかな?という程度です。
基礎体温はピンポイントを見るのではなく、全体の状態を見る為に活用するのがお勧めです。

 

頸管粘液の変化

頸管粘液(おりもの)の変化は昔から言われている排卵時期を知る一つの方法です。
排卵日が近づくと精子が侵入しやすくなるように、エストラジオールの影響を受けて頸管粘液の状態が変化します。排卵期でない期間の頸管粘液は粘調度が高く精子が侵入しにくい状態ですが、排卵日が近づくと粘調度が低くなり精子が侵入しやすい状態になります。
粘調度が低くなることによって手で触ると伸びが確認出来る事もあります。
普段はさらさらしている頸管粘液が伸びのあるものに変わったら排卵が近づいているという一つのサインになります。

また、排卵日が近くなると頸管粘液の量が増えると感じる人も少なくありません。
ただし残念ながら、この方法では排卵日を正確に予測することは不可能と言われています。
排卵検査薬やクリニックで予測してもらう方法については排卵検査薬の記事で詳しく書いていきますので参考にしてみてください。

 

それ以外にも排卵日予測アプリなどもありますし、基礎体温アプリや生理管理アプリなどでも排卵日予測や妊娠しやすい時期の予測をだしてくれますが、あくまでもこれらは一つの目安であり、確実にわかる方法ではありません。
生理は来ていても、多嚢胞性卵巣症候群などの場合はきちんと排卵していない事もあるので、生理が来ているだけでは排卵の判断は難しくなります。

どのような方法にしても排卵日はあくまでも目安にしかすぎません。
妊娠しやすい日、1日だけを狙う性行為はお互いのストレスにもなりかねません。
「排卵日」という知識や情報は必要ですが、あまりそこに拘りすぎない事も、妊活をうまく進めていくうえで大切なポイントです。

 

参考資料
公益社団法人日本産婦人科医会 排卵の予測
一般社団法人日本生殖医学会 不妊症Q&A

この記事の監修医師
菊地 盤(きくち いわほ)
産婦人科専門医/生殖医学会生殖専門医
順天堂大学医学部卒業。順天堂大学産婦人科先任准教授(助教授)、順天堂大学医学部附属浦安病院リプロダクションセンター長を経て、2019年よりメディカルパーク横浜の院長を務める。順天堂大学浦安病院在籍時には、世界で初めて市(浦安市)と提携し「卵子凍結」プロジェクトの責任者として、女性の妊孕性温存に携わる。

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