妊活時の基礎体温、測る?測らない?きちんとした基礎体温の測り方

これから妊活をはじめようという時に多くの人が最初に取り組むことが基礎体温の測定かもしれません。
測定した基礎体温を管理するアプリなんかもたくさんありますから、まずは基礎体温計を購入して、アプリをダウンロードするところからスタートする人も多いのではないでしょうか?

基礎体温を測定する目的

さて、みなさんは何の目的で基礎体温を測定しますか?
この質問を多くの方にすると、たいていの方が排卵日を予測するために基礎体温を測定すると答えられます。

でも、実は基礎体温を測定しても正しく排卵日を予測することは残念ながら難しいと言われています。
一般的な基礎体温は2相にわかれており、排卵のタイミングで低温から高温に移行します。

よくネットや雑誌類で見かける見本の基礎体温のグラフにはこの低温から高温に移行する時に、一瞬ガクッとさがるタイミングがあります。
このタイミングが排卵日だと記載されているものも多いのですが、実は諸説あり実際にはどのタイミングが排卵日かはよくわかっていません。

基礎体温計で読み取る排卵日は、最低体温日前日 最低体温日 低温期最終日 高温期初日 高温期2日目とざっと調べてもいくつもの説が出てきます。
ましてや綺麗に下がって、その後すっと上がっていくような基礎体温グラフが描ける人は多くはありません。
大抵はガタガタしていて、いつの間にか下がって、ガタガタしながらいつの間にか上がっていったという人がほとんどではないでしょうか?
正直、基礎体温で排卵日を読み取るのは至難の業です。

ですから、基礎体温は排卵日予測ではなく今の自分の身体の状態を知るツールとして賢く活用しましょう。
妊活スタート時は3ヶ月から半年ほどは基礎体温を測定し自分の状態をチェックしてみてください。

基礎体温を読み取る時のポイント

では、基礎体温の何を中心に見ていけばよいのでしょうか?
チェックしてほしいポイントは次の5つです。

それでは一つ一つ詳しくみていきたいと思います。

 

きちんと2相(低温期、高温期)にわかれているか?

体温が2相にわかれない場合、排卵していない可能性が高くなります。
生理が来ていれば排卵していると思われがちですが、無排卵の場合でも出血が起こる事があり、それを生理と勘違いしている場合もあります。
この場合は出来るだけ早めに不妊専門のクリニックを受診して医師の診察を受けましょう。
排卵していない場合、そのまま不妊治療のスタートとなる可能性が高い事から、婦人科ではなく、最初から不妊専門クリニックを受診した方がスムーズに治療がスタート出来ると思います。

 

低温期・高温期の体温差が0.3℃以上あるか?

「なんとなく2相にわかれているように見えるが体温差があまりないのですが・・・」と言うご相談を頂くこともあります。

これは測定方法の問題である場合と、2相に見えているだけで実は排卵していない場合とあります。
低温期と高温期の体温差は0.3℃以上あれば特に問題ないと言われています。

まずは、次の項を参考に自分の基礎体温の測定方法が本当にあっているのかを見直してみましょう。
それでも体温が0.3℃以内であれば、一度不妊専門クリニックで医師の診察を受ける事をお勧めします。
排卵しているかどうかはエコーで確認が可能ですので、一人でモヤモヤしているのであればクリニックで確認してもらった方がすっきりします。

 

低温期の期間が長すぎないか?

低温期の期間の一つの目安は21日以内です。排卵までにそれ以上かかっている場合は、そこに排卵障害になるような原因(多嚢胞性卵巣症候群など)が潜んでいる可能性もありますので、まずは不妊専門クリニック等で医師の診察を受けましょう。
妊娠のチャンスは月1回の排卵の時だけです。
その排卵までの期間が長いという事は、妊娠へのチャンスが少なくなります。
本来であれば年間11回~12回妊娠のチャンスがあるはずが、排卵までの期間が長いことで妊娠へのチャンスが年間8回や9回に減ってしまいます。

高温期が短すぎないか

14日前後で低温期から高温期に移行はするものの、高温期の期間が9日以内と短く、すぐに体温がさがってしまい生理が始まる人がいます。高温期の期間の事を「黄体期」といいますが、この期間があまり短いと、うまく着床しなかったり、流産につながったりする可能性もあると言われています。
過度に心配しすぎる必要はありませんが不妊の原因になる事もありますので、高温期が9日以内の場合は出来るだけ早く、一度不妊専門のクリニックで診てもらう事をお勧めします。

低温期が短すぎないか

逆に今度は低温期が短すぎる場合もあります。
生理周期が24日より短く、低温期が短い場合(9日以内)は卵胞の発育が不充分なまま排卵している可能性もあります。
この場合、受精できたとしてもその後の受精卵の成長に影響が出てくることがあります。
短い高温期と同様、過度に心配し過ぎる必要はありませんが、このような周期が何周期も続くようでしたら、やはり不妊の原因になることもありますので、一度不妊専門のクリニックの受診をお勧めします。

 

教科書通りの基礎体温グラフは描けない

実は基礎体温を測りだすと多くの人がつまずくポイントがあります。それが、雑誌やネットで調べたような基礎体温にならないという点です。
しかし、教科書通りの基礎体温を描ける人はほとんどいません。

最初にも書きましたが、低温期だと思っている期間に突然高温期のような体温が測定されたり、高温期にスムーズに移行しなかったり、高温期に突然体温が下がったりと、毎朝の基礎体温に一喜一憂する人も少なくありません。
でも、それが普通なので心配しなくても大丈夫です。(ただ、黄体機能不全などの場合もありますので自己判断で大丈夫と思うのは危険です。)

まず確認してほしいポイントは先ほどあげた5つのポイントです。
その中でも特に確認してほしいのはきちんと2相になっているかどうかという点です。
1日毎の体温の上がり下がりに一喜一憂するのではなく、1ヶ月を通して全体を見てください。

少々ガタガタしていても、先ほどのチェックポイント
・きちんと2相(低温期、高温期)にわかれているか?
・低温期・高温期の体温差が0.3℃以上あるか?
・低温期の期間が長すぎないか?
・高温期が短すぎないか?
・低温期が短すぎないか?
こちらの5つがクリアしていたらまずOKです。

綺麗なグラフにならないとストレスを溜めるより、「こんなものかな」という方がストレスなく基礎体温をつけ続けることができます。

ただ、基礎体温の測定方法には何点か注意する点があります。
そこに気を付ける事でガタガタな基礎体温が少し改善されることはあります。

 

正しい基礎体温の測り方

まず基礎体温を測定する際は専用の婦人科体温計を購入し舌下で測定します。
予測体温計も売られていますが、5分計の方がより正確な数値が出ます。
基礎体温のガタガタが気になる人は予測体温計より5分間測定する実測計の方がお勧めです。

基礎体温は毎朝決まった時間に測定します。
その際は布団に入ったまま起き上がらずに測定しましょう。
ここで起き上がってしまうと体温の上昇が始まりますので、寝ながら手の届く範囲に基礎体温計を置いておくのがお勧めです。起き上がらずできるだけ動かずに測りましょう。
トイレは測定後に行くようにしてください。
また、夜中や明け方にトイレに行った際はそこから体温上昇が始まりますので、基礎体温表のメモ欄に記載しておきましょう。
そうすると後で見返した時に体温が上がっている原因がわかるのでお勧めです。

なかなか難しいですが、決まった時間に消灯し、決まった時間に起きる方が測定値は安定しやすいです。
そして最低でも基礎体温は4時間~5時間は睡眠してから測定する必要があります。
お仕事の関係で睡眠時間が短くなった場合なども基礎体温表にメモしておくといいでしょう。
また前日に飲みすぎた場合なども翌日、正しい基礎体温が測定できない場合がありますので、それらもメモしておくとわかりやすいかもしれません。

ただし、あまり正しく測ろうと思うと測定することがストレスになるので、そこは臨機応変に対応していってください。
また、基礎体温表には以下の事も一緒にメモしておくと後で見返した時や医師に相談する際にもわかりやすいのでお勧めです。

・体調の変化 (頭痛 腹痛 身体のだるさなど)
・薬を飲んでいる場合は薬の名前や量
・発熱している時
・生理を含む出血量 期間
・アルコールを飲んだ時
・夫婦生活をもった日
・排卵痛やオリモノの変化
・施術を受けた日(鍼灸など)

基礎体温計はあくまでも自分の健康管理ツールの一つです。
あまり神経質にならないように楽しみながらつけてみてください。
とはいえ、基礎体温の測定がストレスになる事もあります。
そんな場合はどうしたら良いのかを次にご紹介させて頂きます。

 

基礎体温はつけ続けなければいけない?

「基礎体温をつけるのがストレスで・・・」これはよく頂く質問の一つです。
そもそも基礎体温はつけ続けなければいけないものなのでしょうか?
基本的には、妊活最初の3ヶ月から半年ほどつければその後は、「つけたければつければOK、つけたくなければつけなくても良いですよ」とお話しさせて頂いています。

そもそも基礎体温で排卵日の特定は難しいですし、体温の値に一喜一憂してしまう人は、逆にそれがストレスとなってしまいますので、すっぱりとやめてしまうのも一つの手です。

ただ、基礎体温をつけておいた方が良い(つけなければいけない)場合もあります。
それは通院する不妊クリニックが基礎体温を推奨している場合です。
不妊クリニックの多くの医師は、基礎体温は必要ないと言われますが、まれに初診の時は基礎体温を持ってきてほしい、通院中も基礎体温は必須というクリニックもあります。

クリニックのHPを見ると、基礎体温表に関して【要・不要】が記載されているところもありますが、何も書いていないところも結構あります。
中には基礎体温をつけていて当然と思っているクリニックもありますから、「基礎体温は不要」と明記されていない場合は、初診時は3ヶ月ほどのデータがあると良いかと思います。最低、1ヶ月分のデータだけは準備しておきましょう。もし毎日きちんと測れていなくても、数日毎でも基礎体温が測れていれば異常がないかどうかがわかることもありますので、参考にはなると思います。

また、「基礎体温はストレスになるからつけたくない」と言う場合は、最初から基礎体温不要のクリニックに通うのも一つの方法ですし、もう既に通院中の場合は一度医師に相談してみましょう。

基礎体温はあくまでも自分の身体の状態を知る為のツールであり、一つの目安でしかありません。
基礎体温を測る事がストレスになってしまっては本末転倒。
少々の測り忘れはOKぐらいの緩い気持ちで、基礎体温とは付き合う事をお勧めします。

 

(参考サイト)
オムロン式美人

 

 

この記事の監修医師
菊地 盤(きくち いわほ)
産婦人科専門医/生殖医学会生殖専門医
順天堂大学医学部卒業。順天堂大学産婦人科先任准教授(助教授)、順天堂大学医学部附属浦安病院リプロダクションセンター長を経て、2019年よりメディカルパーク横浜の院長を務める。順天堂大学浦安病院在籍時には、世界で初めて市(浦安市)と提携し「卵子凍結」プロジェクトの責任者として、女性の妊孕性温存に携わる。

 

関連記事

  1. 意外と盲点!妊活中に歯科検診をすることが大事な理由とは?

  2. 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ってなに?検査方法は?

  3. 生理が来ていても排卵されていないことも。不妊の原因になり得る、「排卵障害」とは?

  4. 排卵確認をクリニックでしてもらう場合の流れと注意点

  5. 欲しい子供の数で妊活開始年齢は変わってくるのを知っていますか?

  6. 卵子の老化は生まれた時から始まる!知らずに後悔しないために知っておいた方が良いこと

  7. 排卵日=妊娠しやすい日じゃなかった!?

  8. 妊活を始める前に知っておきたい!妊活初心者のための大事なポイント

  9. 男性もいつまでも妊娠できる訳じゃない!意外と知らない、精子の老化