
検査と治療・一般不妊(タイミング法・人工授精)
男性不妊とは:原因・検査・治療と、保険で受けられる手術
最終確認日 2026-10-16(制度は変わることがあります。出典で最新の情報をご確認ください)
不妊症の原因は女性だけにあるのではありません。日本産科婦人科学会は、男性側に理由がある割合と女性側に理由がある割合は「ほぼ半々」と説明し、日本生殖医学会は、不妊症のカップルの50%程度には男性側の原因もあるとしています。男性の検査は、女性の治療の前か、同時に受けることが勧められています。
主な原因
日本生殖医学会は、男性不妊の原因を大きく3つに分けています。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 精子をつくる力の障害(造精機能障害) | 精液の中の精子が少ない、動きが悪い、またはその両方 |
| 性機能の障害 | 勃起できない、勃起しても射精がうまくいかない |
| 精子の通り道の障害(精路通過障害) | 精子はつくられているのに、通り道が詰まっていて精液に精子が出てこない |
精子をつくる力が下がる原因で最も多いのが、精巣のまわりの静脈がこぶのようにふくらむ「精索静脈瘤」です。
検査
- 精液検査 — 精液の量、精子の数・動き・形を調べます。2〜7日間射精しない期間をおいてから採取します。結果は日によって変わるため、悪い結果でも再検査で問題がないこともあります
- 泌尿器科の診察・超音波検査 — 精巣の大きさや、精索静脈瘤があるかを調べます
- ホルモン検査 — 男性ホルモンや、精子をつくるのに関わるホルモンを調べます
- 染色体・遺伝子の検査 — 精子がとても少ない・いない場合に原因を調べます
女性側の検査とあわせて「不妊検査」にまとめています。
原因ごとの治療
生活習慣を見直す
日本生殖医学会は、喫煙や飲酒のしすぎ、精子をつくる働きをさまたげる薬があれば、できる範囲でやめることを勧めています。サウナや長時間の入浴、ひざの上でのパソコン作業など、精巣を長い時間温める習慣もできるだけ避けます。
薬による治療
- 脳からのホルモンが足りないために精子がつくられない場合(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症)は、ホルモンの注射で精子がつくられるようになることがあります
- 勃起障害や、精液が膀胱に逆流する射精障害には、それぞれに合う薬を使います
- 漢方薬やビタミン剤などは、精液の状態や妊娠率をはっきり改善すると示されたものは少ないとされています
手術
- 精索静脈瘤の手術 — 顕微鏡を使って原因の静脈を縛る手術が多く行われ、手術のあとに精液の状態と妊娠率の改善が期待されます
- 精路再建手術 — 精管の詰まり(パイプカットのあとなど)をつなぎ直します。精管同士をつなぐ手術では、約80〜90%で精液に精子が出てくるとされています
- 精子採取術 — 精液に精子がいない場合に、精巣から直接精子を取り出し、顕微授精に使います。精子の通り道が詰まっているタイプでは、多くの場合精子を採取できます。精子をつくる力が大きく下がっているタイプでは、顕微鏡を使って精子を探しても採取できないこともあります
精液の状態が軽度から中等度に下がっている場合は、人工授精で妊娠することがあります。精子がとても少ない場合は、体外受精・顕微授精を考えます。
保険の扱い
こども家庭庁によると、2022年4月から、手術用顕微鏡などを使って精巣から精子を取り出す「精巣内精子採取術」などの男性不妊の手術も保険の対象になりました。保険で受けるには、届出をした医療機関で受ける必要があります。くわしくは「不妊治療の保険適用」をご覧ください。
あわせて読みたい
- 不妊検査 — 女性・男性の検査の項目
- 人工授精 — 精子の数が少ないときの選択肢
- 不妊治療は何歳まで? — 年齢と妊娠の関係
よくある質問
男性不妊の原因で多いのは?
精子をつくる力が下がる原因で最も多いのは、精巣のまわりの静脈がこぶのようにふくらむ「精索静脈瘤」です。手術で改善する可能性が高いとされています。
精液検査の結果が悪かったら?
精液の状態は日によって変わるため、一度悪い結果が出ても、もう一度検査すると問題がないこともあります。医師と相談してください。