不妊治療のよくある質問

このサイトの解説から、よくある質問を分類・段階ごとにまとめています。

答えの続きは、各質問の下にある解説で確認できます。

制度と費用のよくある質問

妊活前・検査

基礎体温はわきの下で測ってもいいですか?

厚生労働省研究班が監修するヘルスケアラボは、婦人体温計を使い、朝目が覚めたらすぐ起き上がらずに舌の下で測るよう案内しており、わきの下の体温は参考にならないとしています。

基礎体温で排卵日を前もって知ることはできますか?

基礎体温は、低温期から高温期に移ったのを見て、排卵があったとあとから推定するものです。排卵日を前もって予測するには、医療機関で超音波やホルモンの検査を組み合わせます。

何周期くらいつければいいですか?

ヘルスケアラボは、1周期だけでは判断しにくいため2〜3周期続けて見ることを勧めています。月経の間隔が39日以上あく、または24日以内に来る人は、日本生殖医学会が基礎体温を1〜2か月つけて早めに受診するよう勧めています。

「基礎体温の測り方とグラフの読み方:わかること・わからないこと」を読む

ブライダルチェックは保険で受けられますか?

症状がなく、妊娠前の確認として受ける検査は原則として自費です。不妊を心配して受診し、医師が必要と判断した検査は保険診療で受けられる場合があります。

東京都の検査費用の助成は誰が使えますか?

都内在住の18〜39歳で、妊娠・出産を考えている人が対象です(令和8年度)。講座(TOKYOプレコンゼミ)を受講し、都の登録医療機関で検査を受けると、上限3万円の助成があります。

「ブライダルチェックとは:検査の内容と、東京都の検査費用の助成」を読む

一般不妊(タイミング法・人工授精)

一人目で保険の回数を使い切りました。二人目でも保険で体外受精を受けられますか?

回数の上限は1子につきです。厚生労働省の疑義解釈では、出産したあと(妊娠12週以降の死産を含む)の次の子のための胚移植は、改めて保険で受けられるとされています。ただし、治療を始める日に女性が43歳未満であることを条件としています。

一人目は自然に妊娠しました。二人目もしばらく様子を見てよいですか?

避妊をせずに1年以上妊娠しない状態を不妊症といいます。日本生殖医学会は、とくに30歳以降で妊娠を望む人は1年を待たずに医療機関で相談するのがよいとしています。

「二人目不妊:受診の目安と、保険の回数が数え直される条件」を読む

不妊治療をやめる時期に決まった基準はありますか?

国や学会が示す公的な基準はありません。制度で決まっているのは保険で受けられる条件(生殖補助医療は治療開始日に女性が43歳未満、胚移植は1子につき40歳未満なら6回・40歳以上43歳未満なら3回まで)です。これは治療をやめる時期とは別のものです。

保険の回数を使い切ったら、治療は受けられなくなりますか?

受けられなくなるわけではありません。生殖補助医療が保険の対象外(自費)になります。

治療を続けるか悩んだとき、どこに相談できますか?

主治医のほか、こども家庭庁は「性と健康の相談センター」で、不妊症や不育症を含む妊娠・出産をめぐる悩みを医師や助産師などの専門家に相談できると案内しています。

「不妊治療のやめどき:公的な基準はなく、制度で決まっているのは保険の条件だけ」を読む

体外受精・顕微授精

不妊治療の窓口負担はいくらですか?

保険診療の部分は全国共通の診療報酬で決まり、窓口では原則3割を支払います。先進医療や保険の対象外の検査・薬を組み合わせると、その部分は全額自費です。

1か月の負担が大きくなったときに使える制度は?

高額療養費制度で、1か月の保険診療の自己負担が上限額を超えた分が払い戻されます。上限額は年齢と所得で決まり、加入している健康保険の窓口で確認できます。

「不妊治療の費用の目安:保険の自己負担と高額療養費」を読む

体外受精は保険で受けられますか?

受けられます。2022年4月から、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療も公的医療保険の対象です。窓口負担は原則3割です。

保険で体外受精を受けられる年齢の条件は?

治療を始める日の時点で、女性が43歳未満であることを条件としています。

胚移植は保険で何回まで受けられますか?

初めての胚移植に向けて治療計画を作った日の女性の年齢が40歳未満なら1子につき通算6回まで、40歳以上43歳未満なら3回までです。

「不妊治療の保険適用:対象になる治療・年齢・回数のルール」を読む

不妊治療の費用は医療費控除の対象になりますか?

なります。国税庁は、不妊症の治療費と人工授精の費用は医療費控除の対象になるとしています。

自治体の助成を受け取ったらどうなりますか?

自治体の不妊治療の助成は所得税がかからず、医療費控除を受けるときは医療費から助成の額を差し引いて計算します。

「不妊治療の医療費控除:対象になる費用・計算のしかた・助成金との関係」を読む

東京都の不妊治療費の助成は何が対象ですか?

保険診療で受けた生殖補助医療(体外受精・顕微授精など)と、それと一緒に受けた先進医療の費用が対象です。全額自費で受けた治療は対象外です。

助成の上限額はいくらですか?

2026年4月1日以降に始めた治療は、1回の治療につき15万円が上限です(高額療養費などが支給された場合は、その分を差し引いた額が対象)。

「不妊治療の助成(東京都):2026年4月からの制度」を読む

転院すると、保険の回数は数え直しになりますか?

こども家庭庁の資料では、回数の上限は「通算」と書かれています。数え直せる場面として書かれているのは、出産した場合と、妊娠12週以降の死産の場合です。転院したときの扱いは、今の医療機関と転院先に確認してください。

回数の上限が6回か3回かは、転院した日の年齢で決まりますか?

こども家庭庁の資料では、初めての胚移植のための治療計画を作成した日の年齢で決まると書かれています。40歳未満なら1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満なら1子ごとに通算3回までです。

転院に向いている時期はありますか?

この記事の出典には、転院の時期の目安は書かれていません。治療の進み具合や状態によって違うため、医師に相談してください。

東京都の助成で、移植の前に転院したらどうなりますか?

東京都の資料では、移植の前に転院して治療を続けた場合も1回分として扱うと書かれています。1回の治療が終わった時点で、転院前と転院後の受診等証明書をそろえて、1回の申請にまとめます。

転院先でも同じ先進医療を受けられますか?

先進医療は、厚生労働省から実施医療機関として指定を受けた医療機関で行ったものだけが先進医療になります。転院先で実施しているかは、その医療機関に確認してください。

「不妊治療で転院したときの保険の回数:通算の数え方と、転院先で確かめること」を読む

検査と治療のよくある質問

妊活前・検査

AMHの値で卵子の質はわかりますか?

わかりません。日本産科婦人科学会は、AMHは卵巣に残っている卵子の数を反映するといわれる一方で、卵子の質は推測できないと説明しています。

AMHが低いと自然に妊娠できませんか?

AMHの値が低くても、排卵があれば自然に妊娠することはあります。年齢や超音波検査の結果とあわせて医師から説明を受けてください。

「AMH検査とは:わかること・わからないこと、受け方と費用の助成」を読む

卵子凍結をすれば将来必ず妊娠できますか?

将来の妊娠・出産を約束するものではありません。凍結した卵子を使っても、妊娠・出産に至らないことがあります。

東京都の卵子凍結の助成はいくらですか?

凍結した年度は上限20万円、翌年度以降は保管状況の調査へ回答するたびに一律2万円で、令和8年度に凍結した人は最大24万円です。採卵日に18歳以上40歳未満の都内在住の女性が対象です。

「卵子凍結とは:流れ・知っておきたいこと・東京都の助成(最大24万円)」を読む

一般不妊(タイミング法・人工授精)

人工授精はどんな人に向いていますか?

精子の数や動きがやや少ない、性交が難しい、頸管の粘液が少ない、原因が見つからずタイミング法で妊娠しなかった、といった場合に行われます。

人工授精は保険で受けられますか?

受けられます。人工授精は「一般不妊治療」として2022年4月から保険の対象で、窓口負担は原則3割です。

「人工授精とは:方法・タイミング・保険と、体外受精へ進む目安」を読む

不妊検査はいつ受ければよいですか?

避妊をせずに1年たっても妊娠しない場合が目安です。女性が35歳以上の場合や、月経不順・子宮内膜症などがある場合は、1年を待たずに検査を考えます。

男性も検査を受けたほうがよいですか?

受けてください。不妊の原因は男性側と女性側でほぼ半々とされ、日本生殖医学会は男性の検査を女性の治療の前か同時に受けることを勧めています。

「不妊検査とは:女性・男性の検査の項目と、受けるタイミング」を読む

子宮卵管造影検査はいつ受けますか?

月経が終わってから排卵までの間に、X線の検査室で行います。日程は医療機関の指示に従ってください。

子宮卵管造影検査は痛いですか?

日本生殖医学会は「少し痛みをともなう検査」と説明しています。痛みが心配な場合は、事前に医療機関へ相談してください。

「卵管造影検査(子宮卵管造影)とは:わかること・時期・痛みと注意点」を読む

男性不妊の原因で多いのは?

精子をつくる力が下がる原因で最も多いのは、精巣のまわりの静脈がこぶのようにふくらむ「精索静脈瘤」です。手術で改善する可能性が高いとされています。

精液検査の結果が悪かったら?

精液の状態は日によって変わるため、一度悪い結果が出ても、もう一度検査すると問題がないこともあります。医師と相談してください。

「男性不妊とは:原因・検査・治療と、保険で受けられる手術」を読む

妊娠しやすいのはいつですか?

日本生殖医学会は、排卵日の2日前から排卵日までの性交で妊娠しやすくなると説明しています。

タイミング法は何回続けたらよいですか?

決まった回数はありません。年齢とともに妊娠しやすさは下がるため、何回か続けても妊娠しない場合や女性の年齢が高い場合は、主治医と次の段階を相談してください。

「タイミング法とは:排卵日の予測のしかたと、妊娠しやすい時期」を読む

体外受精・顕微授精

採卵は保険で受けられますか?

こども家庭庁によると、2022年4月から、生殖補助医療は採卵から胚移植に至るまでの一連の基本的な診療が保険の対象です。女性の年齢と回数の条件があります。保険診療をしていない医療機関もあるため、受診先で確かめてください。

採卵は痛いですか?

こども家庭庁のサイトの専門医の解説では、採卵時などの痛みは昔に比べれば改善されたものの、女性には大きな負担になるとされています。痛みへの対応は資料に書かれていないため、医師に相談してください。

採卵までに何回くらい通院しますか?

こども家庭庁のサイトの専門医の解説では、1回の体外受精で採卵までの通院は3、4回とされています。これに胚移植の日が加わります。進め方は人によって違うため、医療機関で確かめてください。

保険の年齢と回数の条件は?

治療を始める日に女性が43歳未満であることを条件としています。回数は、40歳未満は1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満は1子ごとに通算3回までです(こども家庭庁)。年齢は、初めての胚移植に向けた治療計画を作った日の年齢で見ます。

事実婚でも保険で採卵を受けられますか?

こども家庭庁によると、法律上の夫婦だけでなく、事実婚のカップルも保険の対象です。治療を始めるときは、医師から治療計画の説明を受け、本人とパートナーが同意書などを出します。

「採卵とは:流れ・痛み・保険の扱い」を読む

凍結胚移植は保険で受けられますか?

こども家庭庁の資料では、生殖補助医療の「採卵・採精」から「胚移植」に至るまでの基本的な治療が保険の対象と書かれています。ただし、この記事で確かめた資料には「凍結胚移植」という言葉そのものは出てきません。ご自身の治療が保険で受けられるかは、通う医療機関で確かめ、医師に相談してください。

保険で受けられる回数の上限は何回ですか?

初めての胚移植のための治療計画を作った日の年齢で決まります。40歳未満は1子ごとに通算6回、40歳以上43歳未満は1子ごとに通算3回です(こども家庭庁)。また、女性の年齢が治療の開始日に43歳未満であることが条件です。

出産した後、二人目の治療では回数はどうなりますか?

出産した場合や、妊娠12週以降に死産となった場合は、次の子のための治療開始日の年齢が40歳未満ならさらに6回、40歳以上43歳未満ならさらに3回まで受けられます(こども家庭庁)。くわしくは医療機関で確かめてください。

事実婚でも保険の対象になりますか?

はい。こども家庭庁の資料では、法律上の夫婦だけでなく事実婚のカップルも保険の対象と示されています。治療を始めるときは、医師から治療計画の説明を受け、本人とパートナーがともに同意書などを出します。

胚移植に先進医療を組み合わせられますか?

先進医療は保険診療と組み合わせて受けられます(こども家庭庁)。子宮内膜刺激術や二段階胚移植術など、胚移植に関わる名前の技術もあります。厚生労働省から指定を受けた医療機関で行う場合に限られます。受けるかどうかは医師に相談してください。

「凍結胚移植とは:胚移植の流れと保険の扱い」を読む

顕微授精と体外受精は何が違うのですか?

どちらも卵子と精子を体の外で受精させる「生殖補助医療」です。ちがうのは受精のさせ方です。体外受精はシャーレの上で受精を促すなどの方法です。顕微授精は、体外受精のうち、卵子に注射針などで精子を注入するなど人工的な方法で受精させる技術です。どちらの方法になるかは、医師に相談してください。

顕微授精は保険で受けられますか?

2022年4月から、体外受精と顕微授精は保険の対象になりました。採卵・採精から胚移植までの基本的な治療が対象で、窓口での負担は原則3割です。ただし年齢と回数の条件があります。また、保険診療をしていない医療機関もあるので、受診先に確認してください。

顕微授精を保険で受けられるのは何歳まで、何回までですか?

女性の年齢が、生殖補助医療の開始日に43歳未満であることが条件です。回数は、初めての胚移植の治療計画を作った日の年齢が40歳未満なら1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満なら通算3回までです。出産した場合などは、回数を数え直せます。

顕微授精の費用の負担を軽くする制度はありますか?

保険の3割負担に加えて、ひと月の上限額を超えた分を払い戻す高額療養費制度があります。東京都では、令和8年4月1日以降に始めた治療について、保険診療の生殖補助医療と先進医療の費用を、1回15万円を上限に助成しています。不妊症の治療費は医療費控除の対象にもなります。具体的な金額は医療機関に確認してください。

顕微授精といっしょに先進医療を受けられますか?

先進医療は、保険診療と組み合わせて受けられます。令和8年4月1日時点で、タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養や着床前胚異数性検査(PGT-A)などが認められています。受けるかどうかは、医師に相談してください。くわしくは受診する医療機関に確認しましょう。

「顕微授精とは:体外受精との違い・保険の扱い」を読む

体外受精と顕微授精の違いは?

受精のさせ方が違います。体外受精は卵子のまわりに精子をふりかけて自然に受精するのを待ち、顕微授精は顕微鏡で見ながら1つの精子を細い針で卵子に入れます。

体外受精の妊娠率は年齢でどう変わりますか?

日本産科婦人科学会の2024年のデータでは、胚移植1回あたりの妊娠率は、30歳53%、40歳35%、44歳16%でした。

体外受精で生まれる子どもはどのくらいいますか?

2024年の体外受精・顕微授精などの治療から、8万6千人あまりの子どもが生まれています。

「体外受精とは:治療の流れ・年齢別の妊娠率・費用と保険」を読む

PGT-Aは誰でも受けられますか?

日本産科婦人科学会の細則では、体外受精をくり返しても妊娠しない、流産・死産をくり返している、女性が高年齢(目安は35歳以上)の不妊症の夫婦が対象です。学会の認定施設でだけ行われます。

PGT-Aで異常がなければ必ず妊娠できますか?

いいえ。染色体の数に異常がない胚でも、着床しないことや流産することがあります。検査結果には不確実性があります。

「着床前診断(PGT-A)とは:対象になる人・わかること・限界と費用」を読む

治療の判断は、医師に相談してください。