顕微鏡で胚を確認する培養室のスタッフ

制度と費用・体外受精・顕微授精

不妊治療で転院したときの保険の回数:通算の数え方と、転院先で確かめること

最終確認日 2026-10-18(制度は変わることがあります。出典で最新の情報をご確認ください)

出典の一覧(4件)

保険で受ける体外受精・顕微授精には、年齢と回数の上限があります。こども家庭庁の資料では、回数の上限は「通算」と書かれています。ただし、医療機関を変えたときに回数をどう確認するかは、この記事の出典では確かめられません。転院を考えたら、今の医療機関と転院先の両方に、これまでの回数の扱いを確認してください。

この記事は、体外受精・顕微授精・凍結胚移植など、生殖補助医療を受けている人や検討している人に向けたものです。転院の時期を勧めるものではありません。

保険の年齢と回数のルール

まず、保険の条件をおさらいします。内容はこども家庭庁の資料によるものです。

項目内容
年齢治療を受ける人とパートナーのうち、女性の年齢が、生殖補助医療の開始日に43歳未満であること
回数(40歳未満)初めての胚移植のための治療計画を作成した日の年齢が40歳未満なら、1子ごとに通算6回まで
回数(40歳以上43歳未満)同じ日の年齢が40歳以上43歳未満なら、1子ごとに通算3回まで
出産などのあと出産した場合や、妊娠12週以降の死産の場合は、次の子のための治療開始日の年齢が40歳未満ならさらに6回、40歳以上43歳未満ならさらに3回
対象法律上の夫婦だけでなく、事実婚のカップルも対象

条件のくわしい説明は、不妊治療の保険適用にまとめています。二人目以降の回数については、二人目不妊も参考にしてください。

転院するときに知っておきたいこと

回数の上限は「通算」と書かれている

こども家庭庁の資料では、回数の上限は「通算6回まで」「通算3回まで」と書かれています。また、回数を新しく数え直せる場面として書かれているのは、出産した場合と、妊娠12週以降の死産の場合です。

医療機関を変えたときの確認のしかたは、出典には書かれていません。これまで保険で受けた治療の回数を、転院先へ伝えられるようにしておきましょう。扱いは転院先の医療機関に確認してください。

回数の上限を決める年齢の基準日

回数の上限(6回か3回か)は、「初めての胚移植のための治療計画を作成した日」の年齢で決まります。転院した日の年齢ではありません。

この日がいつだったかは、今の医療機関に聞くことができます。転院先で確認されたときに答えられるよう、控えておくとよいでしょう。

転院先が保険診療をしているか

こども家庭庁の資料には、保険診療をしていない医療機関もあると書かれています。生殖補助医療や精巣内精子採取術の保険診療の届け出をしている医療機関の一覧は、厚生労働省のホームページに載っています。

転院先を考えるときは、保険診療で治療を受けられるかを、その医療機関に確認してください。

治療計画と同意書

保険で不妊治療を始めるときは、医師から治療計画(治療の内容や流れ)の説明を受けます。そのうえで、治療を受ける人とパートナーが一緒に同意書などを出すことになります(こども家庭庁)。

転院先で治療計画をどう立てるかは、転院先の医療機関とよく相談してください。

先進医療の扱い

保険診療と組み合わせられる「先進医療」は、厚生労働省から実施医療機関として指定を受けた医療機関で行ったものだけが先進医療になります(東京都の資料)。同じ技術でも、扱いは医療機関によって違う場合があります。

転院前と同じ先進医療を考えている場合は、転院先で実施しているかを確認してください。先進医療の一覧は先進医療と不妊治療で紹介しています。

東京都の助成:転院したときの扱い

東京都に住んでいる人は、東京都の不妊治療費助成の対象になる場合があります。東京都の資料には、転院したときの扱いが書かれています。

項目東京都の資料にある内容
1回の治療治療計画などから、移植後の妊娠判定などに至るまでの一連の治療を1回とする
移植の前に転院した場合転院して治療を続けた場合も1回分として扱う
申請のしかた1回の治療が終わった時点で、転院前と転院後の受診等証明書をそろえ、1回の申請にまとめる
転院前だけで上限を超える場合その時点で申請できる。ただし転院後の治療分は助成の対象にならない
助成の上限(令和8年4月1日以降に始めた治療)1回の治療につき15万円まで
助成回数保険診療の回数に準じる

男性不妊の治療をする医療機関と、体外受精・顕微授精をする医療機関が違う場合も、両方の受診等証明書を出すと書かれています。全額自己負担で体外受精・顕微授精をした場合は、対象外です。

制度は変わることがあります。申請の前に、東京都の最新の情報を確認してください。助成の全体は不妊治療の助成(東京都)で紹介しています。

転院の前に整理しておきたいこと

転院先や今の医療機関に聞くときは、次のことを整理しておくと話が進めやすくなります。

  • これまでに保険で受けた治療の回数
  • 初めての胚移植のための治療計画を作成した日
  • 凍結している胚がある場合の扱い
  • 転院先が保険診療の届け出をしているか
  • 受けたい先進医療を転院先で実施しているか
  • 助成を申請する場合の受診等証明書の準備

保険の自己負担や高額療養費については不妊治療の費用の目安を、治療の流れは体外受精とはと凍結胚移植とはを読んでみてください。

転院するかどうか、いつ転院するかは、ご自身の状態によって違います。判断は医師に相談してください。

あわせて読みたい

よくある質問

転院すると、保険の回数は数え直しになりますか?

こども家庭庁の資料では、回数の上限は「通算」と書かれています。数え直せる場面として書かれているのは、出産した場合と、妊娠12週以降の死産の場合です。転院したときの扱いは、今の医療機関と転院先に確認してください。

回数の上限が6回か3回かは、転院した日の年齢で決まりますか?

こども家庭庁の資料では、初めての胚移植のための治療計画を作成した日の年齢で決まると書かれています。40歳未満なら1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満なら1子ごとに通算3回までです。

転院に向いている時期はありますか?

この記事の出典には、転院の時期の目安は書かれていません。治療の進み具合や状態によって違うため、医師に相談してください。

東京都の助成で、移植の前に転院したらどうなりますか?

東京都の資料では、移植の前に転院して治療を続けた場合も1回分として扱うと書かれています。1回の治療が終わった時点で、転院前と転院後の受診等証明書をそろえて、1回の申請にまとめます。

転院先でも同じ先進医療を受けられますか?

先進医療は、厚生労働省から実施医療機関として指定を受けた医療機関で行ったものだけが先進医療になります。転院先で実施しているかは、その医療機関に確認してください。

出典